<原著>祖父母との人間関係が大学生の自己受容と対人態度に及ぼす影響
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概要
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核家族化に伴って, 現代の子どもたちの多くは, 祖父母など高齢者と接する機会が少ないなかで養育されている.このような状況は, 子どもたちの人格形成に何らかの影響を与える可能性があると考えられる.そこで, 大学生96名を対象にアンケート調査を実施した.祖父母との同居経験の有無や祖父母が好きか否か等の質問と, 自己受容測定尺度と情動的共感性尺度に回答してもらった.回収数は80名で有効回答率は100%であった.分析の結果, 自己受容測定尺度および情動的共感性尺度の得点ともに, 祖父母との同居経験の有無による差は認められなかった.同居経験の有無に関わらず, 祖父母が好きと回答した学生は, 嫌いと回答した学生より自己受容的であり, 有意差が認められた.また, 暖かい人間関係の家庭で育ったと思うと回答した学生は, そう思わないと回答した学生に比べて自己受容的であり, 有意差がみられた.一方, 祖父母や家庭内での人間関係は, 情動的共感性尺度の得点に対しては, あまり影響を与えてはいなかった.本調査から, 好きな祖父母がいることと, 暖かい人間関係の家庭で育つことが自己受容を高める要因の一部であることが示唆された.子どもたちの成長過程において重要なのは, 単に祖父母との同居経験ではなくて.祖父母が好きと思えるような交流体験であると考えられる.
- 川崎医療福祉大学の論文
- 2001-08-25
著者
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