<原著>三重県下の環境放射線の調査

概要

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放射線測定器(NaI(T1)シンチレータ)を搭載した車で, 三重県下の国道ならびに主要な県道を走行すること(カーボーン・サーベイ)により, 大地に由来するガンマ線を計測した。また, 同時に使用した携帯用の簡易気圧計による気圧測定結果から宇宙線強度を推定した。調査にあたり考慮した事項は, 岐阜県でのサーベイと同様, 車体の遮蔽効果, 道路の舗装の影響, 降水の影響, 崖・トンネルによる影響である。前回と同様に, 車体による放射線の遮蔽効果を38%程度と見積もったが, 道路の舗装と裸地の違いおよび降水による放射線の高まりは無視できた。また, 道路に急追した崖とトンネルについては, その区間の前後の値を結ぶという内挿法によって推定した。これらのデータから県下における空気の吸収線量率を算定し, 地表ガンマ線および宇宙線を含めた値として, 平均値は各々44.5±7.7皿Gy/h, 73.6±7.7nGy/h, 最大値は菰野町で56.7nGy/h, 84.7nGy/h, 最小値は浜島町で27.5nGy/h, 56.3nGy/hを得た。
岐阜医療科学大学の論文
1996-12-30