大学における心理教育相談室活動に関する一考察(2) : 名古屋女子大学教育研究所心理教育相談室における追跡調査
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概要
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名古屋女子大学心理教育相談室では創設以来20年を経過したのを機に,20年間の来談者に対して,郵送法による追跡調査を実施した。123名の結果について,以下のように要約される。1.「発達障害」については,心理療法のみによる解決は困難であり,生涯にわたって専門機関との関係を持つことになる。相談室は幼児の一時期ではあるが,親子双方に安らぎの場を提供することが出来たと考えられる。2.「登校拒否」については,これまでの研究と同じく,低年齢で来談した者ほど,登校が可能になり,予後も良いという結果が得られている。思春期に来談した者や家族の問題が大きかった事例では社会適応の困難な者がみられて,対応の困難さを改めて知らされた。今後の課題としては発症の年齢や終結後の期間或いは家族状況など種々の条件により整理をして,分析することである。3.発達障害・登校拒否・青年,成人の代表的な事例をあげて,それぞれに対して果かした相,談室の役割について考察を加えた。4.全体教が少ないため,厳密な統計的検討は困難である。むしろ主訴その他の個別の条件を検討していくことが今後に残された課題である。この報告を纏め,相談室の組織も,その中で働くカウンセラ一個人もクライエントによって育てられてきたことを改めて実感している。また,クライエントの皆様には,調査にあたり御協力をいただいたことへも感謝したい。
- 1997-03-01
著者
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