幼児に対する理解と態度の関連 : 教育実習生の視点
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概要
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本研究は,教育実習生が実際に出会った「気になる子」に対する「幼児理解」と「幼児への関わりに関する態度」について検討し,学生の段階で「幼児理解」と「幼児への関わり」がどのように影響し合っているか分析することを目的とした。114名の教育実習生(教育実習終了直後)に61項目から成る「幼児理解」と「幼児への関わりに関する態度」についての調査を行い,因子分析の結果,実習生の幼児に対する「理解」と「関わり」の間には「受容的理解」と「幼児に対する応答的な関わり」,「否定的理解」と「幼児を抑制する関わり」が関連していた。また,クラスター分析により,実習生の大部分は「気になる子」が担任保育者を信頼していると認知しており,自分は「気になる子」に対して「受容的理解一応答的な関わり」という保育行動をとることをやや否定的にとらえている。保育者と幼児との信頼度を低いと認知している一部の実習生は,「受容的一応答的」保育行動と「否定的一抑制的」保育行動の両者を選択する傾向にある。教育実習生は,保育者と同様な「幼児理解」と「関わりに関する態度」をもっているが,幼児に対する保育行動は,担任保育者と幼児との関係をどのように認知するかに影響を受けていると考えられる。
- 名古屋女子大学の論文
- 1999-03-05
著者
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- 教養科目「心理学」の講義内容に関する検討
- 幼児に対する保育者の援助 : 観察事例による検討
- 幼児に対する理解と態度の関連 : 教育実習生の視点
- 幼稚園生活への適応について(2) : 入園前の幼児集団参加経験との関連から
- 幼稚園生活への適応について(1) : 入園当初の適応を中心にして