共に学び共に育ち合う教育 : 障害児と健常児が共に活動する地球人クラブの実践
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概要
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本研究は,普通学校の中の特殊学級という設置上の特色をいかし,障害児と健常児が交流を深めることを通して,共に学び合い成長することを目的とした実践報告である。クラブ活動という学校教育の中で,児童にとっては比較的自由で楽しい活動の場に,障害児と健常児が楽しみながら共に活動し,ふれ合いを深めることのできる「地球人クラブ」を新設し,実践をすすめた。また,普通学級児童の特殊学級児童に関する意識調査をもあわせて行い,中学年男子に非好意的意識状況がみられたものの,全体としては,具体的な好意的意識状況であり,共に学び共に育ち合う意識基盤は形成されつつあることなどがとらえられた。地球人クラブでの活動を中心に,できる限り具体的な活動を共にするという体験をつませることによって,障害児には,対人関係の広がりや学校生活に活気がみられ,健常児にも思いやりを持った行動が多くなり,互いに共にふれ合い,活動することを楽しみにするようになったなどの変容がみられた。さらに,障害児と健常児が共に活動した成果を校内外に発表したことにより,特殊学級の親をはじめ多くの父母が関心を持ちはじめ,普通学級担当教師も,しだいに交流教育について理解を深め,協力するようになったなどの成果が得られた。
- 1986-03-15
著者
-
石黒 一次
函館市立中島小学校,北海道教育大学情緒障害教育教員養成課程第3期生(1983年度)
-
時田 隆
函館市立中部小学
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多賀谷 智
函館市立中部小学校
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石黒 一次
函館市立西小学校
-
時田 隆
函館市立中部小学校
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