教育と感情交流
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概要
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平成6年4月,11年ぶりに一般学級の担任となり,5年生38名との期待あふれる出会いがスタートした。数日間がたち,子供たちに二つの気掛かりなことを感じた。一つは,教室中に交錯している「金切り声・怒鳴り声」である。一人の女児に「疲れない?」と尋ねたら,「はい!でも,こうしなければ話が通らないの!」という返事であった。あわせて授業に先立って「注視・傾聴」の声掛けが,児童個々に必要であった。もう一つは,身体すれすれに乗用車が近付いても,クラクションの合図があるまで「身の危険を回避する」「運転者に進路を譲る」などの行動に気が向かないことであった。これらの子供たちの変化は,授業不成立,学級崩壊などの事象に無関係ではないように思える。私は,教育の基盤8割が感情交流の醸成であると実感している。本論は,これまで様々な子供たちとの出会いを振り返り,教育と感情の相互機能について一考する。
- 1999-02-10
著者
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