神戸層群における地すべりに関する研究.第8報 : 神戸市N-O-地区における農地地すべり斜面の安定解析

概要

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地すべり抑止工としてC.I.P.コンクリート杭が施工された, 神戸市北区N-O地区における農地地すべり斜面について, 杭施工前後の安全率を解析し, 次の結果を得た。1) 土塊の粘着力C及び内部摩擦角φの減少に伴ない斜面安全率は減少する。2) 簡便法による杭施工前斜面安全率の計算値は, 斜面が安全状態でない事を示した。しかしこの方法による斜面安全率は現実的でない値を示した。3) Bishop法による修正値は, 簡便法による計算値との差が僅小であった。従って, Bishop法による修正値も現実的でない値を示した。4) 計算機による杭施工前斜面安全率の計算値は, やや小であったが, 現実的な値に近づいた。杭施工前の斜面安全率は0.96∿1.00の範囲にあると推定した。5) 3mの間隔で6∿7列のC.I.P. コンクリート杭打設により, 斜面安全率は0.13∿0.17向上したが, 未だ所要値には達していなかった。6) 杭間隔を縮小する方法は, 斜面安全率の向上に効果的である事が認められた。7) 杭列数を増加する方法も, 斜面安全率の向上に効果的である事が認められた。8) 杭間隔は2m程度で, 又杭列数を増やす場合1.5倍程度で所要の斜面安定が得られるものと推定できた。
1985-01-31