栄養生長期のコムギ葉から根系への炭素と窒素の転流 : 単葉への13CO2と15NH3ガスの同時供与実験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
栄養生長期のコムギの第5葉(上位葉)あるいは第3葉(下位葉)に^<13>Cで標識したCO_2と^<15>Nで標識したNH_3ガスを同時に供与し,これらの葉からシンク器官へ転流する^<13>Cと^<15>Nを追跡した。この際とくに根系を構成する種子根および各節根に着目した。同化葉から吸収された^<13>Cと^<15>Nは伸長葉,分げつ,根系へと活発に転流した。同化葉からの^<13>Cと^<15>Nの一次分配の様相を^<13>C/^<15>N重量比で調べた結果,同化葉の葉位にかかわらず,伸長葉と分げつはよく似た^<13>C/^<15>N比を示した。一方根系の^<13>C/^<15>N比は1.1から1.9倍伸長葉と分げつよりも高かった。また根系の^<13>C/^<15>N比は上位葉が同化葉であった場合下位葉の場合と比較して1.5から1.3倍高かった。根系内で比較すると,^<13>C/^<15>N比はエイジの進んだ種子根と下位節根では低く,新根である上位節根では高かった。以上のことから,同化葉からの^<13>Cと^<15>Nの相対的分配の様相は,同化葉の葉位およびシンク根の齢によって影響されることが示された。
- 神戸大学の論文
- 1993-01-30
著者
関連論文
- ヤブツバキ-オオバヤシャブシ混植林における窒素固定と養分動態
- 66 ケイ酸質土壌改良剤の施用が水稲のケイ酸吸収と葉身のシリカボディ分布に及ぼす影響
- 水ストレスがイネ器官間における^C自然存在比の分布に及ぼす影響
- イネ幼植物の生育に及ぼすオイル中和剤の影響
- トウモロコシ根系が発揮する可塑性の窒素獲得における意義
- トウモロコシ根系の発育的可塑性と窒素吸収
- トウモロコシ根系の発育的可塑性の窒素獲得における意義
- 根域内で局所分布する窒素に対するトウモロコシ根系の発育反応
- 根域内の異なる窒素形態および存在位置に対するトウモロコシ根系の発育反応
- 養液栽培トマトの湿気中根および水中根の生理活性と形態に及ぼす生育温度の影響