^<13>Cと^<15>Nのダブルトレーサー法による水稲の葉から根系への炭素と窒素の転流の研究
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概要
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葉から根へ送られる窒素の意義を明らかにする目的で, 穂ぼらみ期の水稲の最上位葉に^<13>C標識の炭酸ガスと^<15>N標識の二酸化窒素を同時に取り込ませ, ^<13>Cと^<15>Nの体内移動および節位別に分級した根中での動態を8日間追跡した. 同化葉からの^<13>Cの転流は1日で大部分が終了し, その間に固定された^<13>Cの21%が呼吸により失なわれた. 一方, ^<15>Nの同化葉からの流出は^<13>Cに比ベ遅く, かつ実験期間中継続して起った. ^<13>Cと^<15>Nの体内分布パターンの類似性から,少なくとも一次分配過程では^<13>Cと^<15>Nは一緒に師管中を動くと考えられた. 一方, 各部位の^<13>C/^<15>N比に違いが認められたことから, 炭素と窒素の相対的分布はシンク器官の性格によっても影響されていると思われた. 同化後1日目には葉から転流した^<13>Cの19%と^<15>Nの17%が根系ヘ分布した. ^<13>Cと^<15>Nは生長中の上位節根(新根)ばかりでなく, 発育を完了した下位節根へも転流した. 根中の^<13>C量は呼吸による放出や地上部への再転流のため, 1日目以降明らかに減少した. 下位節根ヘ転流した^<15>Nは, その後上位節根や地上部に再転流し, 最終的には根系中の^<15>Nの大部分は上位節根ヘ集中し, その生長に使われた.
- 日本作物学会の論文
- 1983-09-05
著者
-
巽 二郎
名古屋大学大学院生命農学研究科
-
巽 二郎
京都工芸繊維大学 生物資源フィールド科学教育研究センター
-
河野 恭広
名古屋大学農学部
-
岡野 邦夫
国立公害研
-
戸塚 績
国立公害研
-
米山 忠克
農業技術研究所
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