タバコの培養組織から分離した2,4-D抵抗性細胞系の遺伝学並びに生理学的研究 (第3報) : 組織抽出物が試験管内におけるフェノール物質の脱水素重合反応に及ぼす効果(植物防疫学)
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概要
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タバコ(Nicotiana tabacum cv. Samsun)の培養細胞から分離した2,4-D抵抗性細胞系(S401)の組織抽出液にフエノール物質の脱水素重合物(DHP)の生成を抑制すると考えられる因子が含まれることを明らかにして, その生成と2,4-Dとの関係について検討した。1) この因子は試験管内での調査では, 酵素的, あるいは非酵素的に関係なく, フエノール物質のDHP沈澱を抑制することがわかった。このことは, 少くともこの反応を触媒するペルオキシダーゼの活性に作用するものでないことを示している。2) この抑制因子は培地から2,4-Dを除くと失われる傾向が示された。3) Sephadex G200クロマトグラムで排出溶量区分に溶出されることがわかった。S401のペルオキシダーゼ区分(FII)には抑制物質の活性は認められなかったので, この作用がS401カルスのペルオキシダーゼの特異性によるものでないと云える。4) 抑制因子は中性から酸性側で安定で, 100℃, 60分加熱処理で全く活性を失った。また, トリプシンおよびリパーゼによって活性が低下する性質を示した。
- 神戸大学の論文
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