タバコカルスから分離した根類似器官とその継代培養(植物防疫学)
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概要
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Nicotiana tabacum cv. Samsunの髄由来カルスから分離した根類似器官(Root-like organ, RLO)について, 組織学的特徴, 生長物質に対する形成反応などを調査し, その成因について考察した。概要は次の通りである。1) RLOの組織学的特徴は根とよく一致することが認められた。2) RLOの発生とその継代培養のためには, 一定濃度の2,4-DまたはMCPの存在が不可欠であり, 培地からそれらを除くと, RLOは根毛でおおわれ, 根となることがわかった。3) 2,4-Dの代りにIAAを添加した場合も, その濃度に関係なくRLOは根毛でおおわれ, カルス化して, RLOとして培養維持することはできなかった。2,4-Dと併用した場合にはRLOの形態は安定に保たれるが, IAAの効果は全く見られなかった。4) KinetinはRLOをカルス化し, 茎葉の分化を促した。5) Kinetinによって誘導されたRLO由来カルスを再びMS D 0.3培地に移植した場合, RLOに復原する場合とカルスのまま生長する場合があった。後者は高濃度のKinetinを用いてカルス誘導を行った時にみられた。
- 神戸大学の論文
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