腎臓食中のカリウムおよびナトリウム量に関する研究 : 獣鳥肉類を材料としての実験 (第2報)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
鶏肉を用いて脱K, 脱Na効果のいちじるしい煮る操作について材料の形態別, 煮出し時間, 処理温度に関してK, NaおよびT.N.の基礎的実験を行った.1.鶏肉の調理における形態とK, NaおよびT.N.の溶出量については, いずれの場合にも組織表面積が大きくなるに従って増大する.すなわち30℃, 5分間の抽出実験では,これら成分の溶出率は, Kについては, 形態ブロック17%→みじん切り55.6%, Naでは, ブロック29.6%→みじん切り56.5%, T.N.では, ブロック11.8%→みじん切り16.5%である.2.煮出しによるK, NaおよびT.N.の経時的変化については, 煮出し初期において急激な溶出が見られ, 10分でKの97.8%, Naの95.3%が溶出しその後の変化はほとんどない.T.N.については煮出し後5分で15%が溶出しその後の変化はほとんどない.3.各抽出温度におけるK, NaおよびT.N.量については, K, Na共に処理温度が高くなるにつれてその溶出効果は高まり, 80℃における溶出に比べ約25%その効果を増すことができる.T.N.については各温度における有意差は見られなかった.4.獣鳥肉類を用いて腎臓食を調整し, そのK, Na量を測定して直ちに臨床に供せられるよう配慮した.以上の結果, 鶏肉において脱K, 脱Na効果をあげるには, 出来るだけ料理は小さく切り80℃程度の多量の湯で約10分間前処理(煮出し)することであり, これによりK, Naは約90%が排除される.この場合たん白質の損失は約15%である.
- 高知学園短期大学の論文
- 1976-03-01
著者
関連論文
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究(第8報) : やっこねぎについて
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究(第15報) : 大豆および大豆もやしについて
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究(第14報) : 清見タンゴールおよび福原オレンジについて
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究(第13報)ブラックマッペもやしについて
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究-12-ブラックマッペもやしについて
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究(第11報) : うんしゅうみかんおよびあまなつみかんについて
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究(第10報) : モロヘイヤについて
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究(第10報) : モロヘイヤについて
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究-9-ジャンボピ-マンについて
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究(第8報) : やっこねぎについて
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究-7-ロックウ-ル栽培のミニトマトについて
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究(第6報) : グァバ果実について
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究(第6報) : グァバ果実について
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究-5-グァバの葉について
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究-4-なすについて
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究-3-オリジナルピ-マンについて
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究(第2報) :シシトウについて
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究(第2報) : シシトウについて
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究-1-ヒジキとヒロメについて
- 腎臓食中のカリウムおよびナトリウム量に関する研究(第3報) : 熱水処理による食品からのカリウムおよびナトリウムの低下
- 腎臓食中のカリウムおよびナトリウム量に関する研究(第3報) : 熱水処理による食品からのカリウムおよびナトリウムの低下
- 腎臓食中のカリウムおよびナトリウム量に関する研究 : 獣鳥肉類を材料としての実験 (第2報)
- 塩魚の塩抜きに関する研究(第7報) : 塩抜き方法の相違による脱塩量について
- 食品添加物に対する意識調査
- 食品成分含有量の分布と動向に関する研究(第11報) : うんしゅうみかんおよびあまなつみかんについて
- 腎臓食中のカリウムおよびナトリウム量に関する研究 : 獣鳥肉類を材料としての実験