ラット臼歯接合上皮のレクチン組織化学的研究
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概要
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18日-10週齢ウィスター系雄性ラットを用いて臼歯の歯肉・歯肉溝上皮および接合上皮について, その発生過程を含めて, 4種のレクチン, Peanut agglutinin(PNA), Maclura Pomifera agg1utinin(MPA), Wheat-germ agglutinin(WGA), Soybean agglutinin(SBA)を用いて, レクチン組織化学的検索を行った。接合上皮において, 基底細胞はWGA陽性PNA/MPA陰性, 労基底細胞はPNA/MPA/SBA/WGA陽性, 有棘細胞はPNA/MPA陰「生(一部陽性)WGA/SBA陽性, 表層細胞はWGA陽性SBA陰性PNA/MPA陽性であった。基底細胞はWGAのみが陽性反応を示し, 基底細胞細胞表面は基底膜に接する細胞表面のみがWGA陰「生という逆U字型パターンを示し, この特徴は表層細胞にも認められた。歯肉・歯肉溝上皮の基底細胞, 労基底細胞および有棘細胞は接合上皮の各細胞に類似のレクチン染色性を示したが, 接合上皮に比べて有棘層におけるPNA/MPA陽性反応の範囲は狭かった。一次接合上皮は労基底細胞と有棘細胞がPNA弱陽性, MPA陰性, WGA陽性, SBA陽性で, 基底細胞と表層細胞はWGA陽性, SBA陰性であり, 退縮エナメル上皮はすべてのレクチンに対して極めて弱い陽性反応を示した。以上の結果から, 接合上皮の表層細胞は基底細胞に類似のレクチン染色性を示し, その特性は退縮エナメル上皮には認められず, 一次接合上皮において発現される特性であることが示唆された。
- 東北大学の論文
著者
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金田一 孝二
東北大学大学院歯学研究科口腔分子生物学分野
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金田一 孝二
東北大学大学院歯学研究科・顎口腔形態創建学分野
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酒井 信
東北大学大学院歯学研究科口腔生物学講座口腔分子生物学分野
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金田一 孝二
東北大学大学院歯学研究科 口腔生物学講座 口腔分子生物学分野
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