東北大学歯学部附属病院補綴科・高齢者歯科における顎関節症患者の動態

概要

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最近の高齢者人口の増加に伴い, 歯科疾患を有する患者群の構造的変化が予想される。そこで, 我々は, 東北大学歯学部附属病院補綴科・高齢者歯科における昭和62年から平成3年までの5年間の新患の動態, 特に顎関節症の患者の動態について調査した。調査対象は新患, 男性1,832名, 女性3,417名, 合計5,249名, うち顎関節症の患者, 男性185名, 女性763名, 合計948名である。調査は, 患者の年齢, 性別, 居住地域について行った。これらの項目について顎関節症患者と一般患者を比較し, さらに, 平成2年国勢調査における年齢別人口と比較検討した。その結果, 顎関節症の来院患者数は, 男性, 女性ともに近年増加傾向を示していた。また, 新患数に占める割合も高く, 平成3年には男性16.2%, 女性27.7%に達していた。さらに, 男女比は1 : 4であった。人口10万人当りの顎関節症患者の女性の受診率が, 男性に比較して高いことから, 顎関節症の発症率は, 男性に比較して女性が高いことが明らかになった。また, 顎関節症患者の年齢構成は, 男女共20歳代をピークに幅広く分布していた。顎関節症来院患者の居住地域は, 仙台市以外の患者が約40%を占め, 本学歯学部附属病院補綴科・高齢者歯科が, 顎関節症治療において, 東北地方の基幹病院の役割を担っていることが示唆された。
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