<原著>本学補綴科の補綴処置に関する統計

概要

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近年の補綴治療の動向を把握するため, 昭知61年度から平成2年度までの5年間に, 東北大学歯学部附属病院補綴科で製作された補綴物に関して, 調査, 分析を行った。資料は, 当科の歯冠修復および欠損補綴物装着伝票を利用し, 上述の5年間の補綴処置7,419例を対象とした。調査方法は, 補綴処置を前装冠, 全部鋳造冠, 橋義歯, 部分床義歯, 全部床義歯の5つに分類し, それぞれについて, 年度別, 年齢別に分析した。また, 部分床義歯については, 歯牙の欠損様式により調査し, 分析を行った。その結果, 各年度ごとの症例数は1,500例前後であった。年齢別では50歳代が最も多く, 全体の26%を占めていた。各々の補綴処置の中では, 全部鋳造冠が最も多く, 以下, 部分床義歯, 各種前装冠, 橋義歯, 全部床義歯の順であった。また, 各々の年齢分布には差異が認められ, 年齢の進行に伴い, 義歯の割合が多くなることが明らかになった。この結果は, 各年齢層ごとの平均欠損歯数を反映していた。また, 部分床義歯の分析から, 様々な欠損形態を有する症例の存在が確認された。その欠損形態は, 各年齢層によって変化していた。すなわち, 年齢の進行とともに, 欠損歯数が増加する欠損形態に移行していく傾向が碓認された。さらに, 使用されたクラスプ数の分析から, 義歯の安定を考慮し, それぞれの欠損形態に対応した, 多様な部分床義歯が製作されていることが推測された。
東北大学の論文
1994-06-30

<原著>本学補綴科の補綴処置に関する統計

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