長野県の野辺山高原におけるハイブッシュ ブルーベリーの栽培適性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
野辺山高原におけるハイブッシュ・ブルーベリー栽培の可能性を検討するため,5か年にわたって生育相,寒害,果実収量及び果粒重について調査を行った。1. 調査5か年間の平均発芽日は,品種によって多少異なり,4月29日~5月3日であった。また,開花日も品種によって異なり,5月28日~6月8日であった。しかし,開花期間は品種による差が少なく,およそ25日間であった。2. 収穫時期は品種による差が大きく,早生種7月下旬~8月下旬,中晩生種は8月上中旬~9月中旬以降で,平均収穫期間は短い品種で約25日間,長い品種で約50日間で,2倍の差がみられた。3. 1株当りの新梢発生数は,‘ノースランド'が最も多く,最小の‘ブルータ'の3.7倍であった。しかし,新梢長については,品種間で有意差は認められなかった。4. 寒害被害新梢数の割合は,‘コリンズ'が最高で,ついで‘ウエィマウス'及び‘コビル'も高かったが,‘ジャージー',‘ノースランド'及び‘ブルーレィ'は比較的低かった。寒害被害新梢長の割合についても同様の傾向がみられた。5. 果実収量は年次変動が極めて大きく,1986年は収穫皆無に近かったが,1988年にはかなりの収量が得られ,とくに‘ノースランド'では,1株当り平均7㎏以上に達した。しかし,‘コリンズ',‘ウエィマウス',‘ブルータ'及び‘アーリーブルー'の各品種は極端に少なかった。6. 供試10品種のうち,果粒重が最も大きかったのは,‘バークレィ'の約1.5gで,ついで‘コリンズ'及び‘コビル'も比較的大粒であった。しかし,‘ノースランド'及び‘ジャージー'は小粒で,いずれも1g未満であった。
- 信州大学の論文
著者
関連論文
- 展葉枝ざしによるホクシマメナシ(Pyrus betulaefolia Bunge)の台木繁殖
- 展葉枝ざしによるリンゴの台木繁殖について
- 展葉枝ざしによるハイブッシュブルーベリーの繁殖について
- 展葉枝ざしによるマメガキ(Diospyros Lotus L.)台木の繁殖について
- 展葉枝ざしによるニホンスモモ(Prunus salicina Lindl.)の台木繁殖
- 長野県野辺山高原の冬季果樹園における気温及び地温の日変動
- 展葉枝ざしによるモモの台木繁殖
- 長野県の野辺山高原におけるハイブッシュ ブルーベリーの栽培適性
- セイヨウナシ,ニホンナシ,リソゴ,モモ及びブドウの葉の気孔機能の相違
- セイヨウナシの葉における気孔運動機能の鈍化開始期について
- 土壌湿度がナシの葉やけ発生に及ぼす影響
- ナシの葉やけに関する研究(第4報)葉やけ抵抗性と気孔の運動機能との関係
- ナシの葉やけに関する研究-3-葉やけ抵抗性と切断葉の乾燥抵抗性との関係
- ナシの葉やけに関する研究 (第3報) : 葉やけ抵抗性と切断葉の乾燥抵抗性との関係
- ナシの葉やけに関する研究 (第1報) : 症状および気象条件と葉やけ発生との関係
- 長野県の野辺山高原におけるスグリ及びフサスグリの生育相,初期収量及び樹体生長の品種間差異
- 石灰質資材の施用がハクサイの生育,収量及び根こぶ病発生に及ぼす影響
- 各種防寒資材の被覆がブルーベリーの寒害発生及び収量に及ぼす影響
- ナシ園における防霜用ファンの昇温効果について
- 長野県の伊都谷における果樹の晩霜害危険温度の再現期間について
- ナシの開花前における晩霜害の品種間差異