沖縄における蛋白性食品の消費構造について(家政学科)
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概要
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1.蛋白性食品の支出と収入要因との関係をみると, 蛋白性食品の支出(F)は11.59+0.019I(収入)となり, 収入が$10.00増すと$0.19の割で支出が増加する。これは先に報告した野菜の収入要因による支出(F)=2.07+0.008I(4月); F=2.91+0.009I(11月)に比較べて大きい。家族人員数要因との関係をみると, 蛋白性食品の支出(F)=6.03+1.76N(家族人数)となり, 家族人数が1人増えると$1.76の割で増え, 収入要因より影響するところが大きい。2.蛋白性食品の支出ならびに購入数量構成比についてみると蛋白性食品の1人1日平均支出金額は$0.11でその37%を肉類に, 34%を魚介類に支出し, 卵, 乳・豆および豆製品にそれぞれ約10%支出していた。これからすると肉や魚介類にそれぞれ$0.04,卵, 乳, 豆及び豆製品に各々$0.011支出していることになる。また, 1人1日の平均購入数量は167gで豆及び豆製品と魚介類に, それぞれ30%, 20%を肉類に, 残り20%を卵と乳にそれぞれ約10%の割で購入していた。それを数量になおすと豆及び豆製品と魚介類にそれぞれ50g, 肉類に33g卵と乳がそれぞれ17g購入していることになる。3.蛋白性食品のうち, 肉類, 魚介類, 豆及び豆製品の調理法としては, 何といっても味噌汁, 物, 煮物が多く, 焼きもの, 和えもの, 酢のもの, 蒸物は少なかった。また肉類の中でも, 豚肉, ランチョンミート, コンビーフ等の使用頻度が高く, 魚介類では, 鮮魚と練製品(主にかまぼこ)が, 豆及び豆製品では豆腐が最も多かった。一方, 乳は飲料として, 卵は卵とじとか卵焼きが多く, 目玉焼きと蒸しものは少なかった。このように, 沖縄の人々がよく摂取している蛋白性食品は豚肉, ランチョンミート, 鮮魚練製, 品豆腐, 卵でそれらを味噌汁とか炒物, 煮物として調理しているのである。
- 琉球大学の論文
- 1969-10-01
著者
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