沖繩における野菜の消費構造について (I)(家政学科)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1.沖縄の人々の野菜支出について, まず収入要因との関係をみると, 収入が増すと野菜支出も増加するがその割合はわずかで, 即ち4月には, F(野菜支出)=2.07+0.008I(収入), 11月には, F=2.91+0.009I, つまり収入が$10.00増すと野菜支出は$0.08,0.09とわずかしか増加しない。そのことは収入要因の外に他の要因が野菜支出に作用しているということで特に月収が$150.00以上の階級にそのことがより強くみられた。2.次いで収入要因と家族人員要因との関係をみると, 4月にF(野菜支出)=-1.590+0.055I(収入要因)-0.433N(家族人員要因), 11月にはF=1.446+0.004I+0.389Nで, つまり4月には収入が$10.00増すと野菜支出は$0.55増加する傾向があるのに比らべ, 11月には$0.04と殆んど増加せず, 一方世帯人員の方は, 11月には, 1人増すと野菜支出は$0.389の割合で増加すのに反し4月には逆に$0.433の割合で逆に減少する傾向がみられる。即ち, 野菜支出は, 収入要因は4月にはプラスに作用するが11月には殆んど作用せず, 一方, 世帯人員要因は11月にはプラス, 4月にはマイナスに作用する。その原因は今後にまつとしても, おそらく4月と11月の野菜の出回りと価格高から来るのではないかと思われる。3.また沖縄の人々の野菜を購入する順位は, 4月には葉菜, 根菜, 果菜類, 11月には果菜, 葉菜, 根菜類の順で購入する傾向があり, 収入が増えると4月には果菜類をふやそうとするのに反し, 11月には根菜類をふやそうとする趣きがみられる。4.最後に一人が一日に支出する野菜代は4月に$0.022,11月には$0.028で11月は4月より約27%多く支出されていた。野菜支出の変動要因としてここで試みた収入要因や家族人員要因の外に, 野菜の出回りと価格や食習慣, 嗜好, また肉類にはお金をかけても野菜には余りお金をかけようとしない沖縄の人々の野菜に対する考え方などがあげられると思うが, このことは引続き研究していきたいと考えている。
- 琉球大学の論文
- 1967-10-01
著者
関連論文
- 沖縄における野菜の消費構造について (III)(家政学科)
- 沖縄における穀類の消費構造について(家政学科)
- 沖縄における蛋白性食品の消費構造について(家政学科)
- 沖縄における野菜の消費構造について II(家政学科)
- 沖繩における野菜の消費構造について (I)(家政学科)