沖縄における春作マスクメロンの品種比較について(農学部付属農場)
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概要
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沖縄における春作マスクメロンの品種比較試験を無加温条件下のガラス室で1982年3月∿6月に実施した。供試品種は17品種で, 草丈, 葉数, 雌花着生, 果実品質等について調査した。各品種とも順調な生育がみられた無加温下での短期栽培が確認された。特に定植後20日∿30日における草丈伸長や出葉数は旺盛で1日当りの草丈伸長は7.8cm, 出葉数は1枚であった。果実の良否に大きな影響をおよぼす雌花の着生状況は比較的良好で9節∿15節の雌花着生率は78.7%, 各節位における雌花着生は5∿6節から始まり10節以上の節位では90%以上の雌花着生率を示した。果実の着果節位はほとんどの品種が11節目に集中しており理想節位に着果した。果実の品質は品種間差が大きく, アールス東海S-78とシーザーを除き果重が1,300∿1,600gで果形は偏平形を呈していた。糖度, ネット形成, 食味ではアールス春系の3品種は栽培管理の困難さがあって順調な結果が出ずネットの不形成や糖度不足が多かった。果肉色, 果皮色は品種特有で, 果肉色は白色, 果皮色は緑色を基色とした濃淡差がみられた。白裕は果肉色果皮色とも乳黄色で従来見られなかった乳黄色ネットメロンとして特異な品種である。病害虫による被害はツルガレ病以外の病虫害はほとんど問題なかった。ツルガレ病は全品種に被害を及ぼし枯死株が続出した。沖縄における春作マスクメロン栽培の可否はツルガレ病対策が重要な課題と思われる。本試験の実施にあたり供試品種の種子を提供下さった前記各種苗会社に深く感謝の意を表します。また本試験は実用規模での栽培であったため多大な労力を必要とした。その面で協力をいただいた農学科学生の糸洲朝光, 喜納兼二, 島袋つかさ, 仲田ひろみ, 林真人の諸君に深く感謝する。また本報告の校閲をしていただいた農場長の大屋一弘教授に深く感謝の意を表します。
- 1983-11-19
著者
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