<論文>木質パーティクルマットの曲面成形(第3報) : グズミ要素法によるコンピューターシミュレーション
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概要
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パーティクルマットの曲面成形における変形過程と応力分布を数値解析する方法を提案した第1報では,マットのモデル要素の弾性定数は最初非常に小さいが,段々増加して,最終的には成形される曲面パーティクルボードのそれに到達するものと仮定し,パーティクルの相互間の滑りなどは要素の弾性定数の変化という形で表わされ,増分計算の過程で逐次要素内で消化されると考えた。本報では,マットが圧密化される過程におけるパーティクル相互間の滑りを更に適確に表現するために,もう少し自由に動くことができるパーティクルのモデル要素(三角形平面要素とバネ要素からなるいわゆるグズミ要素)を考えた。グズミ要素を用いたこの方法では,増分計算の過程の各段階における三角形平面要素の弾性定数をつねに一定(ここではボードの圧傍最終期の弾性定数を用いた)とし,要素と要素の間の連結部分のバネ要素(Z要素)のばね定数をマットの圧縮段階に応じて段々高くすることでパーティクルの動きと圧縮過程を表現した.本報で得られた結果は次の通りである:1.提案したグズミ要常法でパーティクルの成形問題を解くためには,水平方向のバネ定数ん1と垂直方向のそれん2を次のようにとると,比較的合理的な答えが得られると考えられる。すなわち,k_1=c_0+c_1λ^n,k_2=k_1/4,ここに,c_0=0.04kgf/mm,c_1=800 kgf/mm,λ:マットの圧縮率,n=2。2.前報の増分弾性要素法による結果に比べて応力集中点の主応力は大きく算定される煩向かあるが,弾性定数が非常に異なる層からなる複合系の解析には計算上層間の境界の不連続性が軽減されるので,より合理的な変形や応力分布の計算ができると考えられる。3.グズミ要素を用いる方法もまた増分弾性要素法とともに圧傍系の変形と応力のシミュレーションにある程度有効な方法であると考えられる。
- 京都大学の論文
- 1988-11-30
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