南極域における1960-1975年間の地球磁場永年変化(英文)
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概要
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南緯30°以南に在る地磁気観測所20点における地球磁場3成分(X, Y, Z) の1960年から1975年に至る15年間の永年変化を解析する。1960∿1965,1965∿1970,および1970∿1975の3期間を通してZ>150nT/年に達する大きな永年変化が緯度70°∿85°S, 経度20°W∿60°Eの範囲に拡っている(図1a, b, c)。この南極域における大きなZの分布は地球磁場双極子能率の減少の影響と同双極子の北方移動の影響の重なりの結果に基づく部分が過半を占めている。北極域においては上記2現象の影響が互いに打ち消し合うので異常に大きな地球磁場永年変化は見られない。全地球面観測結果から求められた地球磁場双極子の2現象に基づく永年変化成分を観測値から差引いて求められた残余地球磁場永年変化(ΔX, ΔY, ΔZ)は, 南極域においてはまだ大きく, 経度20°W∿50°E域にZ>50nT/年の正異常, 70°E∿180°E域にZ≲-50nT/年の負異常という規則的な分布を示す(図4a, b, c)。地球の中, 低緯度帯においては残余地球磁場変化の過半部分が, 非双極子地球磁場の西方移動に因る事実が知られているが, 南極域においては, 非双極子地球磁場西方移動の影響は検知できない。その代わり, 非双極子地球磁場が0.3%/年の割合で増大しつつあると考えると南極域残余地球磁場永年変化の約80%を解釈することができる。
- 国立極地研究所の論文
著者
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- FOREWORD
- Preface(第1回極域における電離圏磁気圏総合観測シンポジウム(Part I))
- 日本における噴火予知計画について
- 定常氷床の理論的断面(2次元モデル)(英文)
- Foreword(第1回南極環境科学シンポジウム(1976年9月27日)
- Foreword
- Foreword
- リュッォツ・ホルム湾東岸の岩石に関する古地磁気学的研究(超高層物理部門)(南極シンポジウム)
- 南極大陸周辺における地球磁場永年変化(超高層物理部門)(南極シンポジウム)
- 南北両極地域の地磁気活動間の関係(超高層物理部門)(南極シンポジウム)