縮退前後の半導体における不純物帯
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概要
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縮退前後の半導体の不純物エネルギー帯の形成過程[6]とデバイス設計[7]にも役立つ立場から,特に状態密度の不純物濃度N依存性に関する見通しのよい理論式を得る.Nが非常に増加した縮退前後の半導体の場合では,実際には不純物分布は不規則であるが,平均的にながめると,その分布は周期性"la"を持っていると近似して考えられる."a"は母体結晶の格子定数,"l"はNだけから決まる定数である.したがって,本結晶内のポテンシャル分布はゆるい平均周期"la"で変調された"a"なる周期性となるため,"ほとんど自由な電子近似法がエネルギー帯の解析に適用できる.この新しいゆるい平均周期性を導入することによって初めて,Nに依存する不純物帯の近似式を得ることができるので,本論文ではこの近似の立場をとる.したがって,衆知の方法により波動関数の(4)式を得,それが存在するために必要な条件から,エネルギー帯を規定する行列式,(11)式を得る.更に,ほとんど自由な電子近似ではa_<12>a_<23>a_<13>^*+a_<13>a_<12>^*a_<23>^*なる量はポテンシャルエネルギーの三乗なる量であるため,ポテンシャルエネルギーの二乗と運動エネルギーとの積の項に比し無視しうるので,(12) [numerical formula] 第1項の行列式,第2項と第3項が,おのおのゼロになる場合を求める.それは,おのおの,母体格子と不純物格子の両者が同時に影響した帯,不純物格子だけによる不純物帯,母体結晶だけからなる帯に対応する.こうして,縮帯前後の半導体を不平均なゆるい周期性のポテンシャルで近似することを提案し,その不純物エネルギー帯を簡略に求めたが,実際的立場からは,たとえば,特にn番目の不純物帯に関し,k=π(n-1/2)/laのEで不純物帯最大状態密度g_<1max>が存在し,最近接不純物イオン間のポテンシャルの重なりがあるときとないときでも,N(=(la)^<-3>)の増大によりg_<1max>とNとの関係は,ほぼNによらず,また,その不純物帯の許容幅は,いずれの場合でも,ほぼ,N^<2/3>にに比例し,したがって,電子の活性化エネルギーはN^<2/3>に比例して減少することがわかる.
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