<原著論文>青年期における身体と自己の相互認知に関する研究
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概要
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本研究は,青年期において,公的自己意識,私的自己意識,そして対人不安傾向という自己意識特性と身体に対する認知との相互認知について分析検討することを目的とした。大学生女子680名を対象に調査がなされた。その結果以下のことが明らかとなった。・現実および理想とする身長,体重から算出されたケトレーのBMIより,女子大学生は現実には細長体型であるにも関わらず,「さらなる痩身体型」への志向が顕著であった。・現実の体型では,身体満足度について差がなっかたにもかかわらず,肥痩意識では低満足群において太っていると意識している人が有意に高かった。低満足群は自己の身体認知においてより歪曲した認知構造を形成している事が推察された。・強い公的自己意識特性を示す人は,自己の現実の体型よりも,自己の身体に対してネガティブな評価をしていることが明らかとなった。・公的自己意識特性で見られたほど強くないが,私的自己意識得点と身体満足度に正の相関みられた。・対人不安得点と身体満足度の間にはに強い負の関係が認められた。・自己の身体認知には現実の姿を自己がどのように受け止め,そして評価するかという個人の認知的要因が身体満足度に深く関与していることが明らかとなった。そして,このような個人の認知様式には対人不安,公的自己意識,私的自己意識という自己意識特性が重要な影響をおよぼしていることが示唆された。
- 2000-03-31
著者
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