病原体を接種して萎凋させたアカマツ実生からの病原体の再分離およびマツノザイセンチュウの分離系統間の病原性の差の原因
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概要
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著者らはすでに、マツ材線虫病の真の病原体はマツノザイセンチュウによって搬入されるフェニル酢酸生産細菌であることを提唱し、さらに無菌化した強病原性分離系統のマツノザイセンチュウAOKD-3を接種した無菌アカマツ実生は萎凋しないことを示すことによって、本萎凋病の真の病原体はフェニル酢酸生産細菌であることを立証した。本報では、無菌にしたOKD-3(AOKD-3)に、再びフェニル酢酸生産細菌を保持させてアカマツの無菌実生に接種すれば、萎凋した実生からセンチュウおよびフェニル酢酸生産細菌を再分離することによって、フェニル酢酸生産細菌を保持したマツノザイセンチュウの病原性をコッホ氏の四原則にのっとって確認した。一方、マツノザイセンチュウの弱病原性分離系統は、フェニル酢酸生産細菌を保持してもなお、強病原性分離系統に比べ、萎凋率が低いことうを明らかにした。したがって、萎凋すなわち、マツ材線虫病の発現には、フェニル酢酸生産細菌のマツノザイセンチュウへの随伴に加えて、マツノザイセンチュウの各分離系統の固有の性質、たとえば運動性(移動力)、増殖力などが大きく関与していることを強く示唆した。This paper shows that aseptic red pine seedings inoculated with the aseptic nematode (AOKD-3) carrying the bacterium (Bacillus cereus strain HY-3) and the bacterium (HY-3) do not. These findings indicate that the phenylacetic acid producers accompanying the nematode are the pathogen of the pine wilt, conforming to Koch's four principles. The fact that the weakly pathogenic isolate of nematode cannot so effectively wilt the sedding as the strongly pathogenic isolate, no matter how pathogenic a bacterium accompanies it, suggests that inherent characters such as mobility and propagation of the nematode are also important for thenematode to wilt the seedling.
- 岡山大学の論文
- 1999-02-01
著者
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