笠岡湾干拓地域の風向風速特性
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概要
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笠岡湾干拓地域の気象特性のうち,風向風速特性を干拓地隣接の笠岡地域気象観測所(AMeDAS)でのデータから検討した.本来は干拓地内での測定値を基に検討を加える必要があるが種々の制約から測定ができなかった.そこで測定機器のメインテナンスも行き届いて欠測も殆どない地域気象観測所での測定値を用いた.笠岡地域気象観測所は今回の干拓事業で行われた干拓地の東側に隣接する旧干拓地に位置し,距離的にも,環境的にも現干拓地とはかけ離れていないと考えられ,ここで得られた結果を干拓地におけるものとしても大差はないで'あろうと考えられる. 干拓地内での風向風速の測定値が得られれば,風向風速の日変化の様子も分かり,より詳細な風向風速特性を明らかにすることができよう. ここで得られた結果をまとめると次の通りである. (1)笠岡湾干拓地域の主風向は冬季(11~2月)には西~北西,3月以降は東北東~東,5月以降夏季には東方向に加え若干南方向も加わる(Fig.3.). (2)日最大風速時風向は冬季(11~2月)の季節風の時期には西が他を抜きんでており,また同方向の風速も強い.3月になると東方向が増加し,5月以降夏季になると南方向の頻度も多くなる(Fig.5.).日最大風速5m/s以上の強風時の風向はほとんどが西方向である. (3)3年間の日平均風速は1.0m/s,日平均風速が2m/sを越える日数は僅か40日,最大風速は6m/s(4日,いずれも西風),日最大風速が5m/sを越える日数は19日(風向は東西方向のみ)と強風の日数が少ない.笠岡湾干拓地域は風のかなり弱い地域と言えるであろう. 笠岡湾干拓地周辺の地形は,北側の旧海岸線近くまで丘陵地が迫り,また南側には神島が位置している.すなわち干拓地の南北を丘陵地と島により挾まれる形になっており,主風向が東西方向で風が弱い原因の一つとしては,この地形に起因していると考えるのが自然であろう。
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