幼児期からの人権保育のための基礎調査
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概要
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本論文は,人権保育の課題を検討するための基礎的な調査の報告である。その調査の焦点は欧米のような人権問題への乳幼児の認織を明確にする作業を日本でも行うことであるが,その際に,直接に社会的な差別の問題を扱うことは諸条件の違いから大変難しく,また,そうすることが保育課題の基本に影響を直接与えることは難しいことを考慮して「きめつけ」の概念を利用して調査を行った。その結果,0,1歳児から身体的な異質感や行動パターンの異質感がすでに始まっていること,4,5歳児では生活・文化のパターンに対する異質感,能力での異質感,等での決め付けを持ち,さらに,性や障害児への社会的偏見が始まっていることを示された。2,3歳児はその中間で,活動を通した相手の認識や人物評価などの決めつけが始まり,乳児型と幼児型の中間であるとの方向をえた。今後の調査によって詳細なデータを必要とするが,日本における人権保育の課題として,乳幼児の生活の中に「きめつけ」があり,子どもの人格の発達や実生活の解決にも重要な問題であることを指摘した。This paper aimed at making sure the task of human right educare in Japan through research on young children's cognition of bias to another child.This study was from previous study in U.S.A.like L.D.Spark's and P.Ramsey which had focused on races and ethnic problems.But I needed to make new hypothesis because we could not see the concrete differences in young children from previous studies.Then we used new concept,namely,the KIMETUKE,like bias and make some sorting.As a result,there were baises in 0 years old and 1 years old through the feeling of heteregeneous to human body and to behaviour pattern.And also there were some biases in 4 and 5 years old through the feeling of heteregeneous to life habit and also to social prejudises themself like to gender and disablity.In 2 and 3 years old there were heterogenify to others behaviour and evaluation to others.Therefore this paper indicated that we could find the possiblity of realizing human right educare in Japan.
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