<原著>外傷性十二指腸破裂の診断におけるイオトロランテストの開発

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外傷性十二指腸破裂の早期診断におけるイオトロランテストの有用性について検討した.上部消化管穿孔の診断にはガストログラフィンテストが有用であることが報告されている.しかし, アミドトリゾ酸メグルミン液(ガストログラフィン^<[○!R]>)は, 誤嚥により化学性肺炎を来し, 生命に危険をおよぼす.そこで, 安全性が高い非イオン性ヨウ素系造影剤であるイオトロラン(イソビスト^<[○!R]>)を用いて, 外傷性十二指腸破裂を早期に診断すべく, イオトロランテストを開発した.基礎的検討では, 尿中イオトロランの測定法として, computed tomography(以下CTと略す)撮影法を用いた.次に, ウサギを用いて(1)経口投与群, (2)腹腔内投与群, (3)十二指腸破裂後に腹腔内に投与した群, (4)十二指腸破裂後に経口投与した群を作成した.そしてイオトロランの消化管ならびに腹腔内からの吸収, 尿中排泄動態を比較検討した.その結果, 十二指腸破裂モデルでは, 著明な乏尿がおこる重症腹膜炎を除き, イオトロランは, 腹腔から速やかに吸収され, 尿中へ排泄されることが判明した.これに対し, 非破裂群の経口投与では尿中ヘの排出は微量であり, 破裂群と有意の差が認められた.以上の結果, イオトロランの尿中濃度を測定することは, 外傷性十二指腸破裂の早期診断を確実にし得ることが明らかになった.
近畿大学の論文
1999-06-25

<原著>外傷性十二指腸破裂の診断におけるイオトロランテストの開発

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