茶樹の炭疽病類に関する研究 (IV) : 炭疽病菌類分生胞子の形成と発芽並びに寄主体侵入について
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概要
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1.煮茶葉培地ではGT及びGC分生胞子は10日間の培養で多数形成され, G2及びGUは16日以内に胞子形成の初期がある。2. G2は遮光条件下でも煮茶葉培地及び燕麦粉煎汁寒天培地において胞子形成が可能であり, 日光の照射をうけなければ胞子形成が不可能な馬鈴薯煎汁寒天培地上のG2菌叢に電燈光線を照射することによつて少数の胞子を形成せしめた。3. GT胞子は蒸溜水にglucoseを添加すると発芽が著るしく促進された。4. GTの茶葉上の胞子発芽及び侵入は接種24時間後には発芽管が伸展し, 細胞縫合部上に附着器を少数形成したがなお侵入していない。そして72時間後には表皮細胞に穿入糸を認め, 96∿120時間後には細胞内へ侵入して感染菌糸嚢を形成する。附着器の形成は葉下面の方が上面よりも良好であつた。5. GC分生胞子はスライドグラス上で6時間後には発芽約13%, 附着器形成極小数, 12時間後には発芽約54%, 附着器形成約10%を示した。6. GC分生胞子の茶葉上の発芽及び侵入は接種12時間後に多数の胞子が発芽し, 細胞縫合部上に附着器を形成した。24時間後には表皮細胞に侵入を認め, 72∿120時間後には柵状組織細胞への侵入を示した。
- 1959-09-01
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