<原著>〔第 3 篇〕脳質コリンエステラーゼ活性分布の年令的差異(脳質コリンエステラーゼ活性分布に関する組織化学的研究)
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概要
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神経機能に直接関係を有するアセチールコリン(ACh)代謝に重要な意義を有するコリンエステラーゼ(Ch E), 特に脳質Ch Eの活性分布が年令的にどのような差異を有するかを明らかにするため, 幼若動物一家兎においては生下時, 生後2週, 生後4週, 生後8週, ラッテでは生後1週, 生後3週, 生後11週のものと家兎の成熟例についてKoelle & Friedenwald変法にて全Ch E, Koelle改良法にて特異的Ch Eを検索し次のような結果を得た。1) 脳の各部により幼若期の活性状態は異なつている。2) 大脳皮質部では生下時ややCh E活性の増大傾向を示し, 生後2∿3週のときの活性は増大を認め, 生後4週以後の活性はほぼ成熟例と同程度である。3) 尾状核部の活性は生下時やや減少傾向を認め, 生後2週でも減少を示し, 生後3∿4週で増大を示し, 家兎では生後8週にてまた減少傾向を, ラッテでは生後11週で著るしい増大を認める。4) 中脳部は家兎ではほぼ尾状核部と同様の所見を呈したが, ラッテでは生後11週の活性度は尾状核部のような増大を示さず生後3週と同程度である。5) 小脳部では家兎で生後4週, 生後8週に軽度の減少傾向を認めたが, 幼若期を通じほぼ同程度の活性を示す。6) 全Ch Eと特異的Ch Eを比較すると生後3週目に大脳皮質における特異的Ch Eの増大が著るしい。
- 京都大学の論文
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