マウス皮膚でのAHH活性度とBP誘発腫瘍との関係
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概要
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本実験はAHH活性とBP発癌の関係を検討する意味で行われた。1) 5系列のマウス(ddN, CF♯1,C57BL/6,C3H/He, AKR)を用いてbenzo(a)anthraceneによるマウス背部皮膚でのAHH誘発度を測定し.AKE>C3H/He>CFl>ddN>C57BL/6の順で大きな差があることがわかった。2) これらのマウス皮膚でのBP-クロトン油による腫瘍誘発実験で腫瘍の発生率はC57BL/6≧ddN>CF#1>C3H/Heの順序であった。AHH誘発の非常に高いAKRマウスでは25週の実験期間中には腫瘍の発生は認められなかった。つまり, マウスの皮膚におけるBP誘発腫瘍はAHH活性度の低いマウスほど高い結果となった。3) 同時に免疫抑制剤の腫瘍発生に対する効果を調べたところ3系列(ddN, CF♯1,C3H/He)のマウスでは腫瘍発生期の短縮, 肺瘍数の増加を見たが, C57BL/6マウスは反対の結果であった。免疫能の抑制が発癌を促進することは確かだが, それに従わない場合もあることが示唆された。4) 本実験の結果を通して人のAHH日活性と肺癌との関係の問題にふれて討議した。
- 九州大学の論文
- 1984-03-01
著者
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