<総説>畜産食品中の残留抗菌性物質の理化学的分析法に関する研究
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概要
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人の健康を守るため,安全性の高い食品を確保することは,食品衛生上の最重要目標の一つであり,その一環として食品中に残留する抗菌性物質の検査は不可欠である。本研究では,衛生行政検査システムの構築を考慮し,抗菌性物質のうち使用量の多いテトラサイクリン系抗生物質(TCs),ペニシリン系抗生物質(PCs),サルファ剤(Sas)の理化学的分析法を確立した。すなわち,定量法については,保健所などでも容易に実施可能なUV-HPLC法を用い,また,同定法については,より高感度で精密な分析が可能なLC/MS/MS法を用いた。まず,オキシテトラサイクリンをはじめとする4種のTCsについて,これまで困難であった牛組織中のTCsの精密同定法を開発した。また,弱酸性PCsのうちベンジルペニシリンをはじめとする6種のPCsについて,牛組織中のPCsの定量法及び高感度かつ信頼性の高い精密同定法を確立した。更に,Sasのうち使用頻度の高い10種類について,牛,豚等の肝臓,腎臓中の定量法及び精密同定法を確立した。本研究により,畜産食品に残留する抗菌性物質を簡易に定量し,更に高感度精密同定する検査システムが確立されたことから,食品検査の量と質の向上が期待される。
- 岐阜薬科大学の論文
- 2002-06-30
著者
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