<総説>合成ステロイド剤ジエノゲストの作用機序に関する研究

概要

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ジエノゲスト(Dienogest)は,合成ステロイド剤の一つであり,経口投与にてprogesterone様作用を現わすことから,estrogen依存性疾患に対する効果が期待され,子宮内膜症治療薬として現在臨床試験中である。本研究における動物実験の結果,dienogestの主たるホルモン作用はprogesterone様作用であるものの,本作用はprogesterone受容体拮抗薬RU486存在下においても発現することから,作用発現様式の点で他のprogestinsと異なることが示唆された。また,ラットの実験的子宮内膜症モデルにおいて,内膜症組織に対する治療効果を示したのに加え,腹腔内免疫環境の改善ならびに骨量の維持など既存薬の作用を上回る特徴も認められた。さらに,本剤は,medeoxyprogesterone acetateおよびdanazolに比し,サルに長期投与しても血栓症発症のリスクが少なかった。この結果,dienogestが子宮内膜症治療薬として,高い有効性と安全性を併せ持った薬剤となる可能性が明らかとなった。
岐阜薬科大学の論文
1999-06-30