看護学生における人生の意味・目的意識の変化について : PILのパートAの縦断的分析
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概要
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われわれは3年間追跡調査した72人の看護学生のPILのPart-A部分の縦断的分析を試みた。その結果,合計得点や多くの項目で1年時の方が2・3年時よりも高く,人生の意味・目的意識が高いことが示された。また,各学年ごとに主成分分析をした結果,学年間で若干内容が異なることが明らかになった。1年時には単純な構造であった各主成分が,学年を経るごとに分化したり,異なる主成分であったもの同士が後に統合されるなど,人生の意味・目的意識の変遷のさまを見てとることができた。特に,入学時には恐怖の対象でしかなかった「死」が自己存在とのつながりを増して自分の生きる意味や生死について主体的に考えられるようになってゆく中で「死生観」としてのまとまりを見せるに至る点は,注目に値する。教育的課題としては,実習や専門的な技能の修得に加えて,目的意識や専門性を確立していくための講座や,生きる意味を学ぶ講座,キャリアカウンセリングなどを設ける必要性が示唆された。
- 日本赤十字秋田短期大学の論文
- 2002-03-15
著者
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丸山 真理子
秋田赤十字病院心療センター
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花屋 道子
弘前大学教育学部学校教育教育心理学
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齋藤 和樹
看護学科(臨床心理学)
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小林 寛幸
秋田県中央児童相談所北支所
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柴田 健
秋田県中央児童相談所北支所
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花屋 道子
弘前大学教育学部
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花屋 道子
弘前大学教育学部心理学科
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齋藤 和樹/小林
看護学科/秋田県中央児童相談所北支所/秋田赤十字病院/弘前大学教育学部/秋田県中央児童相談所北支所
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