化合物半導体ZnSeのCu不純物準位
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
加速電子を物質に照射したときに得られる発光現象-カソードルミネスセンセンス (CL) 法-を使って, II-VI属化合物半導体ZnSeの結晶評価を行った。ZnSeは禁制帯幅(Eg)は2.67eVで, ワイドギャップ半導体材料の一つで, 青色から赤色までの可視光領域の発光をすることで知られている。特に青色は発光ダイオード用半導体材料として注目されている。Piper-Polish法により単結晶を成長させた不純物ドープ量の異なる3種のZnSe単結晶を選び, 室温でCLスペクトル測定を行い不純物準位を算出した。用意した3種の試料からの発光スペクトル図形は略同一となっているが, ピーク発光波長とその強度は異なっている。Cu不純物量が増大すると, 青色 : 462.5nm(2.68eV)は減衰し, 緑色 : 547.5nm(2.26eV)と赤色 : 615.0nm(2.02eV)の発光強度が増大する。さらにドープ量が増大すると, 全体に発光強度は衰退し, 緑色発光も減衰し, 赤色 : 615.0nm(2.02eV), 667.5nm(1.86eV)が中心となってくることが分かった。青色発光波長 : 462.5nm(2.68eV)はZnSeのバンド間遷移, 緑色発光 : 547.5nm(2.26eV)はCuドナー(0.4eV; Cu-Green)と充満帯間の遷移, 赤色発光 : 615.0nm(2.02eV)は, Cuアクセプタ(0.65eV; Cu-Red)-伝導帯間の遷移である。
- 長崎大学の論文
著者
関連論文
- 電子線超音波顕微鏡の解像度向上への試み
- HTML形式を使った学習ソフト-フロッピーディスク-
- HTML 形式を使った学習ソフト : p-形半導体
- A-5 電子線超音波顕微鏡による積層欠陥(OSF)の観察(A.超音波非破壊評価)
- 電子線音波顕微鏡像
- PrecipitationによるZnSe単結晶の転位観察
- 化合物半導体ZnSeへのIn拡散 - 1
- 化合物半導体ZnSeのCu不純物準位
- トランジスタ素子の非破壊・内部観察 : 画像処理
- 0.8μmル-ルで製作されたMOS-LSI試料の電子線音波顕微鏡による非破壊・内部観察
- セラミックス材料の電子線超音波顕微鏡による非破壊・内部観察 (白須賀公平教授退官記念)