<原著>化学療法に伴うがん患者の味覚変化に対するアセスメントと介護介入に関する全国調査

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本研究の目的は, 化学療法に伴うがん患者の味覚変化に対する看護者のアセスメントとその介入の実態を明らかにすることである。対象は, 全国の500病院で働く病棟の副婦長1000名であり, 郵送法による質問紙調査を施行した。回収は634名(回収率63.0%)であり, 記入不備などを除く568名を分析した。味覚変化のアセスメントは, 「患者からの訴え」による方法がもっとも多く87.0%, 次いで「食事嗜好の変化との関連」57.6%であった。各項目に対する介入の割合は, アセスメントの割合に比べて低くなっていた。介入では「患者・家族へのセルフケア指導」58.6%で一番多く, 次いで「味覚変化に対応した食事献立」34.2%, 「味覚回復のための含嗽」27.5%であった。含嗽の種類は多種類にわたり, イソジンガーグル, レモン水が高頻度に利用されていた。味覚を刺激する含嗽液を記載していたのはわずかであった。病院の種類別比較では, 「患者の自発的訴え」のアセスメントは大学附属病院が他の病院に比べ高い割合で行っており, 有意差が認められた(p<0.05)。がん専門病院では, 「食事嗜好の変化との関連」のアセスメント割合(p<0.01)と「味覚変化に対応応した食事献立」の介入割合(p<0.05)が他病院よりも有意に高くなっていた。また病棟別の比較では「食事嗜好の変化との関連」のアセスメント割合では,内科系病棟が外科系病や混合病棟よりも約12%高く, 病棟別の違いが明らかであった(p<0.05)。以上の結果より, 味覚変化のアセスメントは定着しつつあるが, 看護介入は充分行われていない状況が明らかにされた。特に患者・家族に対する味覚変化への指導は化学療法を施行する前に必ず行う必要があることが示唆された。

<原著>化学療法に伴うがん患者の味覚変化に対するアセスメントと介護介入に関する全国調査

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