アイヌ民族における生活福祉の動態と空間構造
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概要
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本研究は,北海道に居住するアイヌ民族の生活福祉について,地理学的視角を用いながら動態的・空間的に解明することを目的としている。アイヌ民族の生活福祉として高度経済成長期以降の人口分布や動態,生業形態の変容過程を取り上げた。分析資料は,北海道環境生活部発行の「北海道ウタリ生活実態調査報告書」を用いた。資料の制約から,主として市町村または支庁単位を空間的スケールとして捉えている。その結果,高度経済成長期以降の人口動態は約24,000人前後で推移していること,人口分布は太平洋岸の日高支庁や胆振支庁に集中していることが明らかとなった。また,市町村単位の分布を見た場合,町村域に人口集中が見られ,都市部では人口希薄な地域に居住する傾向が確認できた。生業形態は,第1次産業の減少,第3次産業の上昇といった産業構造の変容が見られるものの,道内居住者全体の職種(割合)とは格差が見られる。第1次産業では,1970年代の農業から1980年代の漁業に変化が見られる。その過程として,専業形態の上昇は確認できるものの,経営規模を拡大させたという域には達していない。
- 2002-10-01
著者
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