遺伝子組換えウイルスの安全性向上に向けた遺伝子改変
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
遺伝子組換えにより自己増殖能を欠失させるとともに,治療効果が期待される遺伝子を搭載した遺伝子導入ベクターや,腫瘍でのみ増殖することにより腫瘍を退縮させる制限増殖型ウイルスは,がんをはじめとする各種難治性疾患に対する新たな治療薬として注目を集めている.その遺伝子組換えの基本ストラテジーは“遺伝子発現効率(治療効果)を高める”とともに,“安全性を高める”ことである.本稿では,組換えウイルスの安全性を高めるストラテジーとして,最近筆者らが研究を進めているマイクロRNAによる遺伝子発現制御機構を搭載した組換えアデノウイルスについて解説する.マイクロRNAによる遺伝子発現制御機構を利用することにより,治療遺伝子の発現や制限増殖型ウイルスの増殖を細胞特異的に制御することが可能となり,組換えアデノウイルスの安全性を大きく向上させることに成功した.
- 2009-11-16
著者
-
水口 裕之
独立行政法人医薬基盤研究所
-
川端 健二
独立行政法人医薬基盤研究所遺伝子導入制御プロジェクト
-
櫻井 文教
独立行政法人医薬基盤研究所基盤的研究部遺伝子導入制御プロジェクト
-
櫻井 文教
大阪大学 大学院 薬学研究科 分子生物学分野
-
水口 裕之
大阪大学 大学院 薬学研究科 分子生物学分野
-
川端 健二
独立行政法人医薬基盤研究所幹細胞制御プロジェクト
関連論文
- マイクロRNAによる遺伝子発現制御システムを搭載した遺伝子組換えアデノウイルスの開発
- 遺伝子組換えウイルスの安全性向上に向けた遺伝子改変
- ウイルスベクターと非ウイルスベクターの細胞内動態の定量的解析に基づいた遺伝子ベクター開発へのアプローチ(誌上シンポジウム)
- 遺伝子デリバリーシステムの細胞内動態の定量的解析 : ウイルスvs非ウイルス
- 21世紀のDDSとBT, IT, NT : 将来を担う若手研究者による将来展望
- 各種幹細胞への高効率遺伝子導入法の開発とその応用
- アデノウイルス感染における新規可溶性タンパク質CAR-like Soluble Protein (CLSP)の役割
- 改良型アデノウイルスベクターを用いた各種幹細胞への遺伝子デリバリー
- 35型アデノウイルスベクターの開発 : 遺伝子改変動物並びに霊長類を用いた検討(誌上シンポジウム)
- 標的指向能を有するバイオコンジュゲート化アデノウイルスベクターの開発(誌上シンポジウム)
- 遺伝子治療研究の動向 (新薬展望2008) -- (医薬品開発研究の最前線)
- 遺伝子の機能解析基盤技術 : 改良型アデノウイルスベクターを中心に
- アデノウイルスベクター開発の最前線 (特集 in vivo/ex vivoでの遺伝子導入に役立つ ウイルスベクターの最新動向--遺伝子治療に向けた開発の最前線)
- P-38 CX3CL1遺伝子導入骨髄由来間葉系幹細胞 (MSC) の気道投与による多発肺腫瘍の抑制(免疫・遺伝子治療, 第47回日本肺癌学会総会)
- ウイルス・非ウイルスベクター開発研究の最前線(誌上シンポジウム)
- 新しいアデノウイルスベクターの開発
- ウイルスベクター
- カプシドタンパク質を改変した改良型アデノウイルスベクターによる高効率遺伝子導入 (特集 ナノメディシン(part2))
- ヒト胎盤由来細胞へのアデノウイルスベクターによる遺伝子導入効率の検討
- ケモカイン及びサイトカイン発現アデノウイルスベクターの併用による癌遺伝子治療の最適化
- 改良型 tet-on システムを搭載したアデノウイルスベクターによる効率の良い目的遺伝子の発現制御システムの開発
- 複数のペプチド配列を発現できるファイバーミュータントアデノウイルスベクターの開発
- 遺伝子機能解析のための遺伝子導入ベクター--ウイルスベクターを中心として (化学と生物学の接点がつくるNewバイオテクノロジー) -- (遺伝子発現をあやつる)
- 改良型アデノウイルスベクターの開発と神経系細胞への遺伝子導入
- 改良型アデノウイルスベクターを用いた造血幹細胞, 間葉系幹細胞, ES細胞への高効率遺伝子導入
- iPS細胞への遺伝子導入を用いた分化誘導の最適化
- 高性能な遺伝子導入ベクターの開発を目指して
- 改良型アデノウイルスベクターの開発と神経系細胞への遺伝子導入
- ヒトiPS細胞の再生医療および創薬研究への応用の現状と展望 (特集 iPS細胞と神経疾患)
- 遺伝子導入技術を利用した幹細胞の分化誘導法