新潟県内の医療施設における手指衛生の変遷
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概要
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著者等は,新潟県内の医療施設に1988年,1994年および2007年にアンケートを取り,手指衛生の変遷について調査した.1988年に主流であったベイスン法は,現在では行われていない.1994年は,速乾性擦式アルコール製剤のラビング法と消毒薬を用いたスクラブ法が多く,2007年は,流水と石鹸,抗菌性石鹸および消毒薬を用いたスクラブ法が多かった.一方,日本環境感染学会において1992年から2007年までの手指衛生に関する全ての発表と論文を分析した.手指衛生についての発表および論文タイトルが,全体に占める割合は10%であった.学会発表は,2002年にCenters for Disease Control and Prevention (CDC)手指衛生のためのガイドラインが発表された翌年に,8.7%から15.3%と高くなった.このガイドラインは,水場のない場所での手指衛生を踏まえてアルコール含有のラビング法を推奨しているが,日常手洗いでは石鹸と抗菌性石鹸を用いたスクラブ法を推奨している.2007年の調査では,アルコール含有ラビング法が減少していた.各病院において基本である流水下で行う手洗いが実施されていることが示唆された.日常手洗いと衛生的手洗いが区別されて行われているのではないかと考えられた.
- 2008-09-25
著者
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継田 雅美
新津医療センター病院薬剤局
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小林 謙一
長岡赤十字病院薬剤部
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継田 雅美
新潟県病院薬剤師会感染制御専門薬剤師育成委員会
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継田 雅美
新潟市民病院 感染制御室
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大久保 耕嗣
新潟県病院薬剤師会感染制御専門薬剤師育成委員会
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阿部 政典
新潟県病院薬剤師会感染制御専門薬剤師育成委員会
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長井 一彦
新潟県病院薬剤師会感染制御専門薬剤師育成委員会
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長井 知子
みのり薬局
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樋口 多恵子
新潟県病院薬剤師会感染制御専門薬剤師育成委員会
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大久保 耕嗣
えちごメディカル
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阿部 政典
長岡赤十字病院
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小林 謙一
長岡赤十字病院
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継田 雅美
新潟県病院薬剤師会
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