複数試験機関によるトウモロコシ中のアフラトキシンB_1を検出する簡易測定法キットの妥当性試験
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概要
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トウモロコシ中のアフラトキシンB1 を簡易迅速に測定できる市販のキットに関して,その妥当性を複数試験機関により評価した.市販のキットから,3 種類の定量用キット,2 種類の定性用キットを選定し妥当性試験に供した.対象試料としては,ブランクのトウモロコシおよび自然汚染トウモロコシを用いた.ブランクのトウモロコシは,添加回収試験(5 ng/g および10 ng/g)に供した.定量性キットとして,ELISA 法とラテラルフロー法を試験対象として行った.これらの RSDr は23.3 %以下,RSDR は35.7 %以下であった.定性用キットにおいては,5 ng/g のアフラトキシンB1 を添加したトウモロコシ,自然汚染のトウモロコシから擬陰性反応は見られず,ブランク試料から擬陽性は認められなかった.同一キット中のロット間の変動性においては,ラテラルフロー定量法はELISA 定量法より比較的高い傾向があり,妥当性試験の結果と同様,擬陽性または擬陰性の反応は認められなかった.以上のことから,試験対象をトウモロコシに限れば,日本のアフラトキシンB1 の規制検査において,5 ng/g を限度とした初期段階に用いるスクリーニング法として,これらの5 種類のキットは,妥当であることが評価された.
- 2007-07-31
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