薄膜流動を利用した増油効果の実験およびシミュレーションによる検証
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概要
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本研究では,原油薄膜流動を応用したガス攻法の増油効果について検証した。薄膜流動現象とは,水ぬれ性媒体中の残留油が,ある界面張力条件の下で水とガスの間で薄膜化し,再び連続性を持つことで流動性を回復することを言う。 まず,薄膜流動を想定したコアフラッド実験を実際の油層条件で行った。油の薄膜は界面張力バランスが達成された後に形成されると考えられるので,フラッド試験の途中,界面張力バランス達成を目的としてソークを行っている。ソークの前後で油生産挙動に違いが見られ,ソーク後の生産レートが増加していた。これは薄膜流動が起こったことを示唆している。 次いで,代表的な三相相対浸透率モデルを用いてヒストリーマッチングを行った。これらは薄膜流動を考慮していないため,ソーク以前の生産挙動は再現できたが,薄膜流動が起こったと考えられるソーク後の生産挙動を再現できなかった。そこで,薄膜流動を考慮した相対浸透率を作成することで実験結果を再現することを試みた。薄膜が形成されたと推察されるソークの途中で作成した相対浸透率を適用しシミュレーションを行った結果,生産挙動を再現することが可能であった。
- 2007-05-01
著者
-
前田 治男
国際石油開発帝石(株)
-
佐藤 光三
東京大学大学院工学系研究科地球システム工学専攻
-
佐藤 光三
東京大学大学院工学系研究科エネルギー・資源フロンティアセンター
-
佐藤 光三
東大院・工
-
佐藤 光三
東京大学大学院工学系研究科
-
前田 治男
帝国石油(株)技術研究所プロジェクト研究室
-
増田 昌敬
東京大学大学院工学系研究科地球システム工学専攻
-
山下 紘司
東京大学大学院工学系研究科地球システム工学専攻
-
増田 昌敬
東京大学大学院
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