湿式排煙脱硫システムに関する最適化およびシステム制御の検討

概要

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酸性雨の原因のひとつである亜硫酸ガス（SO2）の吸収除去を目的とした湿式排煙脱硫システムを対象に最適化のためのシミュレーション計算を行った．本研究では各パラメータが脱硫率および石灰–石膏法（以下LGMと略す）におけるCaCO3利用率に及ぼす影響を把握することにより，最適条件の検討を行った．この結果，排ガス流量500,000 m3（STP）·h−1，入口SO2ガス濃度1,000 ppmの排ガスを10 ppm以下にまで処理する装置として，塔断面積30 m2，酸化タンク水深6 mの脱硫システムを用いると，最適操作条件として，溶存SO2濃度：0.001 kmol·m−3 以下（LGM）；0.05 kmol·m−3（水酸化マグネシウム法，以下MHMと略す），液滴径：1.5 mm, pH：6.5（MHM），CaCO3固相濃度：1.0 wt%（LGM），吸収塔高さ：14 m（LGM）；10 m（MHM），循環液流量：6,000 m3·h−1（LGM）；4,500 m3·h−1（MHM）が得られた．さらにLGMの場合，上記で得られた設計条件および操作条件でSO2ガス濃度や排ガス流量が時間的に変化する場合を想定した負荷変動時の制御システムの検討を行った．その結果PIDコントローラを用いたフィードバック制御によって安定した脱硫性能の維持が可能であることが示唆された．
社団法人　化学工学会の論文
2007-11-20