湿式排煙脱硫システムに関する基礎実験および性能予測シミュレーション計算手法の検討

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酸性雨の原因のひとつである亜硫酸ガス（SO2）の吸収除去を目的とした湿式排煙脱硫システムは，現在多くの火力発電所等で稼働中であるが，システム内の詳細な挙動に関して検討すべき課題が多く残されていると考えられる．そのため，著者らは必ずしも十分に解明されていないO2およびCO2に関する挙動を実験により検討し，これらと既往の研究結果に基づいて排煙脱硫システムのシミュレーション計算モデルを構築し，システム最適化のための脱硫挙動の解析を行った．この結果，脱硫システム内の酸化タンクにおけるO2吸収速度をガス空塔速度，同装置におけるCO2放散速度をガス空塔速度，pHおよび温度の関数としての表示式を得た．さらに，脱硫システムのシミュレーション計算により，まず，代表的な脱硫法である石灰–石膏法（以下LGMと略す）および水酸化マグネシウム法（以下MHMと略す）を対象として吸収塔内の排ガス中SO2濃度，pH，および液中各成分濃度分布を求め，両者の挙動の違いについての検討を行った．次いで，酸化タンク水深や酸化用空気流量の最適値の検討を行い，水深は6 m，空気流量はLGMの場合2,500 m3 (STP)·−1，MHMの場合2,700 m3 (STP)·−1を得た．
社団法人　化学工学会の論文
2007-11-20

湿式排煙脱硫システムに関する基礎実験および性能予測シミュレーション計算手法の検討

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