固体高分子形燃料電池の劣化防止に関する研究
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概要
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著者らは前報(Itou et al., 2008)で,PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)スタックの供給ガスの低湿度条件下における連続運転において,2000 h時間程度で直列に接続した9セル中3セルの高分子膜の破損が発生したために運転継続が不可能であることを報告し,かつOCV加速劣化試験により,低湿度状態での高分子膜劣化は化学的劣化が主要因であることを明らかにしている.この化学的劣化機構として,燃料電池反応時の副生成物である,過酸化水素,ヒドロキシラジカルが高分子膜を分解している機構を推定した.対策案としてカソード触媒と高分子膜の間にラジカル捕捉層の設置を提案した.本研究では,この対策として7種類のラジカル捕捉材を選定し,各ラジカル捕捉材の効果を実証するために,OCV加速耐久試験にてスクリーニングを行い,ラジカル捕捉層のないセル標準セルと比較して10倍程度の耐久性能を示すものがあることを確認した.また,選定したラジカル捕捉材を使用した実機サイズセルにて,実機の最も過酷な条件を想定した,Daily Start and Stop(DSS)加速耐久性試験を行い,その有効性を確認した.
- 社団法人 化学工学会の論文
- 2009-07-20
著者
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松隈 洋介
九州大学大学院工学研究院
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井上 元
九州大学大学院工学研究院
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峯元 雅樹
九州大学大学院工学研究院
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松隈 洋介
九州大学大学院工学研究院化学工学部門
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松隈 洋介
九州大学大学院工学研突院
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峯元 雅樹
九州大学大学院工学研究院化学工学部門
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伊藤 栄基
三菱重工業株式会社広島研究所
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弦巻 茂
三菱重工業株式会社長崎研究所
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森賀 卓也
三菱重工業株式会社広島研究所
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山田 昭彦
三菱重工業株式会社広島研究所
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野島 繁
三菱重工業株式会社横浜研究所
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松隈 洋介
山形大・工・機械システム工学
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井上 元
九州大学大学院工学研究院化学工学部門
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山田 昭彦
三菱重工業(株)広島研究所
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野島 繁
三菱重工業
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Inoue Gen
Department Of Chemical Engineering Graduate School Of Engineering Kyushu University
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伊藤 栄基
三菱重工業(株)広島研究所
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弦巻 茂
三菱重工業(株)長崎研究所
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Matsukuma Yosuke
Department Of Chemical Engineering Graduate School Of Engineering Kyushu University
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森賀 卓也
三菱重工業(株)広島研究所
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森賀 卓也
三菱重工業 広島研
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松隈 洋介
Dept. Of Chem. Eng. Kyushu University
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松隈 洋介
九州大学大学院工学府 化学システム工学専攻
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峯元 雅樹
九州大学大学院工学府 化学システム工学専攻
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松隈 洋介
九州大学大学院 工学研究院
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