新規過活動膀胱治療薬コハク酸ソリフェナシン(ベシケア^【○!R】錠)の薬理学的特性および臨床試験成績
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概要
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コハク酸ソリフェナシン(ベシケア®錠)は膀胱組織選択的なムスカリン受容体拮抗薬であり,現在,新規過活動膀胱治療薬として世界各国で使用されている.ヒトムスカリン受容体を用いた結合実験において,コハク酸ソリフェナシンは膀胱収縮に主に関与しているムスカリンM3受容体に最も高い親和性を示すことが確認された.摘出ラット膀胱標本を用いた機能実験において,コハク酸ソリフェナシンはカルバコール刺激による収縮に対して,濃度依存的かつ競合的な拮抗作用を示した.また,過活動膀胱モデルラットにおいては減少した膀胱容量および1回排尿量を用量依存的に増加させた.更に,ラットおよびカニクイザルの膀胱平滑筋細胞および顎下腺細胞において,コハク酸ソリフェナシンはカルバコール刺激による細胞内カルシウム濃度上昇を濃度依存的に抑制したが,その作用は顎下腺細胞よりも膀胱平滑筋細胞において強かった.麻酔ラットにおいてもカルバコール刺激による膀胱内圧上昇および唾液分泌を用量依存的に抑制したが,唾液分泌よりも膀胱内圧上昇に対する抑制作用の方が強かった.以上のin vitroおよびin vivo試験により,コハク酸ソリフェナシンは膀胱組織選択性を示すことが明らかとなった.第I相臨床試験において,コハク酸ソリフェナシンは1日1回製剤となる良好な体内動態プロファイルを示した.過活動膀胱患者を対象とした第III相臨床試験において,コハク酸ソリフェナシンは尿意切迫感,頻尿および切迫性尿失禁のいずれの症状に対しても有意な改善作用を示した.更に,長期投与試験によって,その改善作用は長期間維持されることも確認された.一方,口内乾燥等の副作用発現率は低く,その忍容性が確認された.以上,前臨床薬理試験および臨床試験の結果より,コハク酸ソリフェナシンは過活動膀胱の諸症状に対して高い改善効果を示すとともに,服薬コンプライアンスの高い有用な薬剤であることが示された.
- 2006-12-01
著者
-
笹又 理央
アステラス製薬株式会社開発薬理研究所
-
宮田 桂司
アステラス製薬株式会社開発薬理研究所
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笹又 理央
アステラス製薬(株)研究本部開発薬理研究所
-
笹又 理央
山之内製薬創薬研究本部薬理研究所
-
宮田 桂司
山之内製薬
-
大竹 昭良
アステラス製薬・薬理研究所
-
佐藤 修一
アステラス製薬株式会社研究本部開発薬理研究所
-
大竹 昭良
山之内製薬(株)創薬研究本部薬理研究所
-
宮田 桂司
アステラス製薬(株)研究本部開発薬理研究所
-
宮田 桂司
山之内製薬(株) 創薬研究本部 薬理研究所
-
宮田 桂司
アステラス製薬(株) 研究本部開発薬理研究所
-
池田 賢
アステラス製薬株式会社 研究本部 薬理研究所
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笹又 理央
アステラス製薬(株) 研究本部開発薬理研究所
-
佐藤 修一
アステラス製薬株式会社研究本部化学研究所
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