新規C型慢性肝炎治療薬インターフェロンアルファコン-1(アドバフェロン【○!R】)の薬理作用と臨床効果
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概要
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インターフェロンアルファコン-1(コンセンサスインターフェロン,アドバフェロン®)は,米国アムジェン社によって新規に開発された遺伝子組換えインターフェロン(IFN)である.本剤が開発された1982年当時に知られていたインターフェロンαのサブタイプのそれぞれのアミノ酸配列において,各位置で出現頻度の高いアミノ酸を選択することにより本剤のアミノ酸配列が設計され,I型IFNレセプターに対する親和性が高くなっている.インターフェロンアルファコン-1の抗ウイルス作用はin vitroにおいて既存のIFN-αに比較して強く,in vivoにおいてもその抗ウイルス作用が確認されている.また,NK活性および単球(マクロファージ)の活性化作用など強い免疫増強作用を有し,各種腫瘍細胞に対する強い細胞増殖抑制作用も示す.C型慢性肝炎患者を対象にした米国および本邦における臨床試験において本剤の有効性が確認された.本邦では,高ウイルス血症患者において本剤1800万単位での有効性が認められ,難治性のC型慢性肝炎と考えられる「genotype1b高ウイルス血症(100 Kcopies/ml以上)」の患者,その中でも特に100〜700 Kcopies/mlの患者においてリンパ芽球細胞由来天然型IFN-α[IFN-α(NAMALWA)]よりも高い有効性が認められたことから,難治性C型慢性肝炎に対する本剤の有用性が示された.また,低ウイルス血症例においても本剤1200万単位の高い有用性が明らかに示された.さらに,既存のIFN製剤では完全にウイルスを駆除できなかった再燃症例に対しても,本剤1800万単位再投与の臨床的有用性が示された.以上,本剤は新規のC型慢性肝炎治療薬として,既存のIFNに比べ高い治療効果が期待される.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
- 2002-12-01
著者
-
宮田 桂司
山之内製薬
-
安田 修平
山之内製薬中研
-
安田 修平
山之内製薬株式会社 創薬研究本部 薬理研究所
-
宮田 桂司
アステラス製薬(株)研究本部開発薬理研究所
-
宮田 桂司
山之内製薬(株) 創薬研究本部 薬理研究所
-
宮田 桂司
アステラス製薬(株) 研究本部開発薬理研究所
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