Ga_2O_3/Bi_2Mo_3O_<12>触媒を用いたイソブタン酸化によるメタクロレインの合成

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イソブタンから直接メタクロレインを合成することを目的として, 脱水素能を持つGa2O3をBi-Mo酸化物に担持した触媒を調製し, その反応特性, 酸性質および還元的性質を調べた。Bi2Mo3O12 (α phase) とBi2Mo1O6 (γ phase) はBi2Mo2O9 (β phase) より活性が高かった。450℃ におけるBi-Mo酸化物のイソブタンの酸化活性は低かったが, Ga2O3を担持するといずれも活性は向上した。Bi2Mo3O12 ではメタクロレイン生成に対する最適担持量は3 wt％であった。Ga2O3のみを触媒に用いたイソブタン酸化では, 酸素共存下でもH2が生成したが, Ga2O3/Bi2Mo3O12では生成しなかった。TPRにより触媒の還元特性を調べたところ, Bi2Mo3O12, Ga2O3は550℃ までほとんど還元されなかったのに対し, Ga2O3/Bi2Mo3O12は350〜380℃ 付近から還元された。そして, TPR後の触媒にはBi2Mo3O12以外に, BiO, Bi, MoO2が存在した。これは担持触媒上で水素のスピルオーバーが進行していることを示している。したがって, Ga2O3/Bi2Mo3O12触媒でメタクロレインの生成速度が向上するのは, 始めにGa2O3上で脱水素反応が進行し, 生じた水素やt-ブチル基がBi2Mo3O12表面に移動し, 水素が活性の強い表面酸化物イオンを消費して, ブチル基または吸着イソブテンが過度に酸化されるのを抑制し, 選択的にメタクロレインが生成するような穏和な酸化表面を生じるためと推定した。反応ガスに酸素を共存させないとCOxの生成速度は著しく低下した。Ga2O3 (3 wt％) /Bi2Mo3O12では, 触媒の還元率0〜0.3％の範囲でイソブタン酸化を行うと高選択的にメタクロレイン, イソブテンが得られた。
社団法人石油学会の論文
2003-01-01

Ga_2O_3/Bi_2Mo_3O_<12>触媒を用いたイソブタン酸化によるメタクロレインの合成

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