フラクタルカインと炎症性疾患
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概要
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炎症や免疫反応は生体局所で生じることから明らかなように,免疫細胞の時空間的局在は緻密に制御されている.免疫細胞は細胞接着分子と細胞遊走因子を巧みに利用して,炎症部位やリンパ組織に到達する.フラクタルカイン/CX3CL1は,ケモカインと細胞接着分子の2つの活性を併せ持ち,活性化血管内皮細胞上に発現する細胞膜結合型ケモカインである.その受容体CX3CR1は,NK細胞やcytotoxic effector T細胞(TCE)などの細胞傷害性リンパ球と成熟マクロファージや粘膜樹状細胞などの病原体や異常な細胞の排除に深く関わる免疫細胞に発現している.最近の臨床病態やマウス疾患モデルでの研究から,フラクタルカインは,関節リウマチや粥状動脈硬化症などの慢性炎症疾患にも深く関与していることが示唆されている.本稿では,フラクタルカインの特徴的な機能と炎症疾患における役割について概説する.
- 日本臨床免疫学会の論文
- 2005-06-30
著者
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南木 敏宏
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科膠原病・リウマチ内科学
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南木 敏宏
東京医科歯科大学 大学院 医歯学総合研究科 生体応答調節学
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南木 敏宏
東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科膠原病・リウマチ内科学
-
梅原 久範
金沢医科大学病院血液・リウマチ膠原病科
-
梅原 久範
金沢医科大学病院 血液・リウマチ膠原病科
-
今井 俊夫
カン研究所
-
西村 美由希
カン研究所
-
梅原 久範
金沢医科大学 血液免疫内科学
-
今井 俊夫
カン研
-
南木 敏宏
東京医科歯科大学大学院 膠原病・リウマチ内科学
-
梅原 久範
金沢医科大・医・血液免疫制御学
-
梅原 久範
金沢医科大・医・血液免疫内科学
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