スギ花粉症におけるアウトカム研究(第3報) : スギ花粉症症状, QOLの地域間比較

概要

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【目的】花粉飛散量の地域差が地域患者のスギ花粉症症状に与える影響を検討した. 【方法】患者属性, 初期療法状況, 花粉症症状およびQOLを大阪中部, 大阪南部, 和歌山北部, 和歌山南部の4地域間で比較した. 【結果】無治療群においては, 鼻症状に地域差は認められなかったが, 眼の痒みは花粉飛散の多かった和歌山南部が最も重症であった. 一方, 初期療法群においては, 初期療法薬が長期間処方されていた大阪南部と和歌山北部の鼻症状が有意に軽症であったが, 眼の痒みの程度には地域差は認められなかった. SF-36を用いてQOLを計測したところ, 両群ともに地域差は認められなかった. 【結語】無治療群で見る限りでは, 花粉飛散量による地域差は鼻症状およびQOLへの影響は少ないが, 眼の痒みとそれが関連するアウトカムに対しては有意な影響を与えるものと考えられた. 一方, 地域差は, 花粉飛散量以外にも患者属性, 初期療法内容等にも現れ, 初期療法群においては, 花粉飛散量よりも治療内容の方が患者アウトカムに対し大きな影響を与えるようであった.
日本アレルギー学会の論文
2005-06-30