シェーグレン症候群における唾液腺組織障害の分子機構
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概要
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シェーグレン症候群(SS)唾液腺において産生されるサイトカインでは浸潤リンパ球由来のIFNγが重要であると考えられ,class II MHC, Fas, CD40など様々な機能分子を上皮細胞に発現誘導する.一部の患者ではIFNγの過剰産生の理由として上皮細胞から産生されるTGFβの産生減少が関与していることが示唆された.またSS唾液腺において産生される主なT細胞遊走性ケモカインはIFNγにより唾液腺上皮細胞に誘導されるIP-10(CXCL10),Mig(CXCL9),I-TAC(CXCL11)であった.SS唾液腺においては上皮細胞がFasを発現し,浸潤リンパ球の一部がFasLを発現している.SS唾液腺培養上皮細胞はIFNγ刺激によりFas発現が増大するが,この状態で抗Fas抗体を作用させても細胞死は誘導されなかった.同時に発現が増大するCD40に対する抗体を抗Fas抗体とともに添加すると効率的に細胞死が誘導された.この細胞死はアポトーシスであり,抗Fas中和抗体にて抑制されるため,主にFas経路を介するものであると考えられた.CD40からの刺激は恒常的に発現している細胞死抑制蛋白であるc-FLIP発現を抑制することにより,Fasの経路を促進していることが示唆された.
- 日本臨床免疫学会の論文
- 2005-02-28
著者
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小川 法良
金沢医科大学血液免疫内科
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河南 崇典
金沢医科大学血液免疫制御学
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下山 久美子
浜松医科大学第三内科
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小川 法良
浜松医科大学第三内科
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下山 久美子
金沢医科大学血液免疫制御学
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下山 久美子
岩手県立中央病院 血液内科
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下山 久美子
金沢医科大学血液免疫内科学教室
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小川 法良
金沢医科大学 血液免疫制御学
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河南 崇典
金沢医科大学病院 血液・リウマチ膠原病科
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小川 法良
浜松医大
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河南 崇典
金沢医科大・医・血液免疫内科学
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