イナワラと石炭灰を用いたA型腐植酸様物質の創出

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概要

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• 石炭火力発電所から発生する産業廃棄物としての石炭灰の有効利用と,A型腐植酸様物質として二酸化炭素を土壌中に長期固定することを目的に,石炭フライアッシュ(CFA)とイナワラ(RS)を高温培養し,A型腐植酸様物質を含む土壌改良資材の作出を試みた.CFAとRSの配合比や培養温度などを変えた各種条件で培養を行い最適な培養条件を検討した.さらに,生成された培養物の化学的性質も調べた結果,以下のようにまとめられた.1)腐植酸様物質の腐植化度は,低温(60, 75℃)より高温(90℃)で培養するほうが顕著に上昇し,腐植化度の上昇には水分補給が不可欠であることが示唆された.2)腐植酸様物質の腐植化度が高かった培養物は,pHが3〜4程度と低いことが共通しており,培養時のpHを低く調整すれば,腐植化の進行を速くできる可能性が考えられた.3)配合比(CFA:RS)が1:1の場合に最もRSから生成した腐植酸様物質の腐植化度が高く,90℃で培養180日後に0.1 mol L^<-1> Na_4P_2O_7, 0.1 mol L^<-1> H_4P_2O_7混液(pH7)で抽出した腐植酸様物質の〓logKは0.686, RFは94.2を示した.これらから,腐植酸様物質はA型に分類され,CFAとRSの混合物を一定条件下で培養することでA型腐植酸様物質が生成した.4)A型腐植酸様物質の生成が認められた試料(CFA:RS=1:1, 1:2)では,培養0日の試料における全炭素含量のうち,それぞれ少なくとも13.6%, 14.6%がA型腐植酸様物質に変化したと推察された.5)培養物は市販の土壌改良材や堆肥と比べ肥料成分の含量が少なく,現実の施用場面ではNやP肥料などとの併用が必要と考えられた.

• 社団法人日本土壌肥料学会の論文
• 2004-12-05

著者

• 藤嶽 暢英

  神戸大学農学部

• 藤嶽 暢英

  神戸大学大学院農学研究科

• 藤嶽 暢英

  神戸大学大学院農学研究科生命機能科学専攻農環境生物学講座

• 大塚 紘雄

  神戸大学農学部

• 鈴木 武志

  神戸大学農学部

• 鈴木 武志

  神戸大学農学研究科

• 鈴木 武志

  神戸大学大学院農学研究科

• 井汲 芳夫

  神戸大農

• 井汲 芳夫

  神戸大学自然科学研究科

• 藤嶽 鴨英

  神戸大

• 井汲 芳夫

  神戸大学大学院自然科学研究科

• 八幡 有紀

  神戸大学農学部

• 鈴木 武志

  神大院農

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